今は、絡まりまくった変態さんたちの魂をほどいている私ですが(笑)
実はアパレル時代から、私は「ほどき屋」だったんです。
何のほどき屋かというと、
「細いチェーンのネックレス」です。
細~いチェーンのネックレスって
鬼ほど絡まるんですよ。(笑)
(わかる人いるよね?w)
で、私のお店でも細チェーンのネックレスを販売していたので
お店のお客様が絡まらせて、どうしてもほどけないネックレスを
ご来店時に、すぐにほどくのが私。
通称「ほどきのプロTOMO」
マジですぐにほどくので、
系列店からの依頼も多く、
「ほどきのプロ」として私の右に出るスタッフはいませんでしたね。
1000年の呪縛
ある日、とんでもないのが来ました。(笑)
ワイヤーとパールで複雑に編まれたピアスに、絡まりまくった極細チェーンのネックレス。
しかも、パッと見ても
5つ以上のネックレス、ブレスレットが絡まっています。
さらに、
ワイヤーピアス2つが合体してしまって何がどうなってるのか全くわかりません。
まさに1000年の呪縛…(´TωT`)
持ち込みのお客様も「これはヤバいものが出来てしまって…」と
まるで怪物が生まれたかのように、その絡まりまくったブツを私たちに渡してきました。
「もう、取れなかったら捨てようと思います」とまで言われ
ただ、絡まりまくった「ブツ」の総額が50万以上でしたので(すべてゴールド)
「ほどきのプロ」としては、黙っていられません。
持ち主は「完璧な女性」
どんなに絡まったブツでも「ほどきのプロ」にかかれば10分程度でほどくのですが
今回の1000年の呪縛に関しては、
2日かかりました。
さすがに目がチカチカして、しばらく視界がボヤけてばかりでしたが
何とか、ほどきのプロの名を保つことができました。
結果、ほどいてみると7つのアクセサリーが幾重にも重なり続けていました。
いくら細チェーンが絡まりやすいといっても、
ここまでのブツを見たのは前にも後にもこれが最後でしたね。
「どんな風に扱えばこうなるの?」
「きっとガサツな人なんだろうな」
と思われるかもしれません。
この「1000年の呪縛ブツ」を持ち込まれたのは、
お金持ちで清楚で、言葉遣、身だしなみ、所作、すべてが美しい
「完璧な女性」のお客様でした。
緊縛プレイ
そのお客様にネックレスをお返しするとき、
私は氣になってこうお声がけしました。
「ネックレスを外す時、優しくアクセサリーポールに掛けてあげてくださいね」
するとお客様が「分かってるんだけどね、時間と優しさがないのよ」と仰ったんです。
絡まったネックレスをきっかけに、
その「完璧な女性」の裏の顔が見えてきました。
夫は仕事で忙しく、
自身も子供たちの深夜までの塾や習い事、
有名校への進学、
さらに重なるプレッシャーとストレス…
もう、何がなんだか分からないくらいのストレスと忙しさで
「ネックレスを優しく掛けてあげる暇なんてない」とのことでした。
ご自身も、体を壊し
その1000年の呪縛を見る度に
「自分」を重ね
どこから、手をつけたらいいか分からないもどかしさや
時間の無さを理由に、
見ないようにしていたとのことでした。
でも、今回1000年の呪縛が解かれたことで初めて
「自分」を見つめ直そうと思ったとお話してくれました。
実は、ネックレスを絡ませてしまう人は確かにガサツである人も多いですが
1000年の呪縛のお客様のように、
自らを緊縛プレイしている人が多いのです。
「完璧」という縄で縛り上げる。
自分が自分を縛り上げ、
結局は苦しくなって「ほどいて!」と
助けを求める。
そんな人を「ほどき屋」はたくさん見てきました。
完璧を求めて、自分を縛ったぶん
自分にかける時間も優しさも失われていき
ネックレスは幾重にも重なり、
またイライラする現実が引き起こされる。
これは、今の自分に「氣づく」ための現実です。
少しずつほどいていく
ここまで絡まってしまうと、
なかなかほどけません。
でも、必ずほどけます。
いきなりすべてを解こうとせずに、
少しずつ少しずつ「緩めていくポイント」を探すのです。
これは、自分を縛り上げてしまっている人をほどくのと同じです。
必ず「緩める」ことが出来るポイントがあります。
そこから、少しずつ少しずつ緩めていき
絡まったチェーンがゆるまり、
何がどうなっているのか、
全体がどんなものであるかが分かってきます。
そうやって、少しずつやっていくのです。
もし、あなたが自分で緊縛プレイをしているのなら
少しずつ緩めていってみてください。
必ずどこかで、大きな縛りに氣づき
そこからスルスルとほどけていきます。
焦らず、ゆっくり、
優しく時間をかけていきましょう♡